Basic Skills Learning (BSL)


五文型:英語の文章を組み立てる基本の型

 

 英語の文法の基礎は、五文型です。今回は、英語の文章の型を理解してもらうことがゴールです。

 

 英語圏で生まれ育った子供の場合、家族や周囲の会話のシャワーを浴びて過ごすため、文法など勉強しなくても、フレーズでコミュニケーション英語が話せるようになります。日本人の赤ちゃんが三歳くらいからはかんたんな日常会話が出来るようになるのと同じことですね。

 

 しかし、大人になってから英語を身に着けようとする場合、赤ちゃんと同じ環境に身を置いて数年間を過ごすことはできないので、英語の文章に共通する五つの型をインストールすることで、早く上達しよう、というわけです。

 

 早速、それらの型を見ていきますが、でもその前に、文型を理解するために必要なSVOCという四つの記号について説明します。

 

〔SVOC記号の意味〕

 

S: Subject(主語)のこと。文章における主体で、名詞・代名詞(または名詞句)が入ります。一つの文章には一つの主語しかなく、基本的には文の頭に置きます。

 

V: Verb(動詞)のこと。Sの後に置かれます。主語同様、一つの文章には一つの動詞が基本となります。

 

O: Object(目的語)のこと。「SがOをVする」「SはOがVだ」という意味合いを持ち、名詞・代名詞(または名詞句)が入ります。

 

C: Complement(補語)のこと。名詞・代名詞・形容詞(または句)が入り、「SはCだ」という具合に、Sのことを補完説明する役目を持ちます。

 


1.第一文型:S-V


 最もシンプルな文型で、S(主語)自身がとる行動や動作、習慣などをV(動詞)が説明します。

【意味】 SはVする

I jog. 私は(ふだん)ジョギングをします。

You smile. あなたは微笑む/微笑みなさい。

They stay. 彼らは滞在(宿泊)する。

Dogs bark. 犬は吠えるものだ。

Cats run. 猫は走るものだ。

Ice melts. 氷は溶けるものだ。

 

 主語自身の行動や習慣について表現しているため、主語以外に別の対象となるO(目的語)を伴いません。このような自己完結型の意味で使われる場合の動詞を、「自動詞(intransitive verb)」と呼びます。


2.第二文型:S-V-C


 もっとも日常的に使われる文型で、be動詞を用いて「S(主語)イコール C(補語)」という意味となります。

【意味】 SはCだ。

I am Robin. 私=ロビン

You are beautiful. あなた=美しい

She is perfect. 彼女完璧な

They are doctors. 彼ら医者

This is my smartphone. これ=私のスマホ

Life is hard. 人生きつい

That is great! あなたの話とてもいい

Japan is amazing! 日本素晴らしい

 C(補語)を使って、Sとは何か(誰か)ということを伝えたり、Sの属性や特徴、状態、様子などを表現できます。主語によってbe動詞が  am / are / is と形を変えていますが、これについてはまた改めて。


3.第三文型:S-V-O


 第一文型がSVだけで意味が成立する自己完結型の文章だったのに対し、第三文型(S-V-O)の場合、S(主語)は O(目的語)という対象を V(動詞)する、という意味になり、S(主体)とは別の対象を必要とします。

【意味】 SはVする、Oを。

I like her. (私)は(好む)、(彼女)を。

You play tennis. (きみ)は(プレイする)、(テニス)を。

They love drinking. (彼ら)は(愛する)、(飲むこと)を

Cats eat rats. (猫)は(食べる)、(ネズミ)を

Bears attack humans. (熊)は(攻撃する)、(人間)を。

We have a pet. (私たち)は(所有する)、(ペット)を。

 このように、対象を伴わないと意味が完結しない文章では、V(動詞)は他動詞(transitive verb)として使われます。「S(主語)とは他の対象をVする」からです。

※自動詞と他動詞については、同じ動詞でも自動詞として使われることもあれば他動詞として使われる場合もあるので、理解しようとしなくても大丈夫。完璧に理解し、覚えようとすれば、逆に何も話せなくなります。たくさん話していればいずれ感覚的につかめてきますので、今の段階ではそういうものがあるのか、くらいの理解で十分です。


4.第四文型:S-V-O1-O2


 第四文型は、S が一つの対象(O1)に、もう一つの対象(O2)を V する、という成り立ちです。

【意味】 SはVする、O1にO2を。

You bought me chocolate. (きみ)は(買った)、(私)に(チョコレート)を。

They gave me everything. (彼ら)は(与えた)、(私)に(すべて)を。

I owe you money. (私)は(借りている)、(君)に(お金)を。

She handed me a towel. (彼女)は(渡した)、(私)に(タオル)を。

He brought me a gift. (彼)は(持ってきた)、(私)に(贈り物)を。

 ちなみに、この文型では、O1(~に)よりも O2(~を) が重要です。O2 なしには意味は成り立ちませんが、O1についてはなくても一応文章としては成立します。O1を省いた場合、S-V-O2となり、第三文型になるわけです。

 最初の例文を取り上げると、第三文型に変化させると、You bought chocolate.(きみはチョコレートを買った)となります。その状態で、「誰に」という情報を追加したければ、末尾に for me を追加すれば、You bought chocolate for me. (あなたは私のためにチョコレートを買ってくれた)となり、第四文型での You bought me chocolate. と同じ意味になります。

 このように、SVOOの文章を第三文型のSVOに変化させ、O1の部分については前置詞句(to / for)で後ろに追加することができます。

You bought me chocolate. > You bought chocolate for me.

They gave me everything. > They gave everything to me.

I owe you money. > I owe money to you

She handed me a towel. > She handed a towel to me.

He brought me a gift. > He brought a gift to me.

※難しい単語や動詞の過去形など、ちょっと複雑な表現が出てきましたが、時制(過去-現在-未来等の時間軸に関する表現)については改めて取り上げますので、ここではすべて理解できなくても問題ありません。


5.第五文型:S-V-O-C


  第五文型は、第三文型SVOに第二文型SVCを組み入れたもので、第二文型のSが第三文型のOになります。

①主文:SVO I kicked the ball. (僕はそのボールを蹴った)

②副文:SVC The ball is away. (そのボールは遠くにある)

 この二文を「the ball」をフックにして合体させるわけです。

I kicked the ball + The ball is away

 ひとつの文章には、主語と動詞がひとつずつしか入らないので、主文のOとかぶる副文のSは当然主文に組み込まれ、Vについては属性や特徴や状態を表す be動詞なので省き、副文のCだけを主文のSVOに加えると、こうなります。

③統合文:SVOC I kicked the ball away.

 【意味】 SはVする、OをCに / SはVする、OをCと

同じように、いくつかの文章を作ってみましょう。

①They call me.

I am Zoey.

③They call me Zoey.

①They keep their house.

Their house is tidy.

③They keep their house tidy.

①I left the windows.

The windows are open.

③I left the windows open.

 ②の副文は、①の主文を前提としています。つまり、①という前提があるから、 ②が成立している、ということ。最初の例文の場合、「私がZoey」なのは、「彼らがそう呼ぶ」から成立しているわけです。


 英語がまったくの初心者、という方には今回の内容は少し難しかったかもしれません。完全に理解しようとするのではなく、英語の文章の語順は、上記の五つの型を基本としている、ということだけ頭に入れておけば十分です。

 

 See you guys next!
文: David
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