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Cuisine|郷土料理

 ポーランドとウクライナのユダヤ人コミュニティに由来する甘い編みこまれたパン。イースト菌で膨らませた生地を広げ、チョコレートやシナモン、フルーツジャム、チーズ等といった詰め物と一緒に伸ばして編み巻きにして焼き上げます。二十世紀後半に入るまで、ポーランドのユダヤ人コミュニティ外ではほとんど知られていませんでしたが、ヨーロッパ・スタイルのベーカリーがイスラエルや米国で売り出したことによって知られるようになり、ニューヨークを中心に高い人気を誇ります。

 


ポーランドのユダヤ人コミュニティに由来するリング状のパンで、イースト菌を入れたパンをまず短時間茹でてから焼くため、ぎっしりと詰まって噛み心地のしっかりしたパンに焼きあがります。ポッピーや胡麻を表面に乗せて焼くのが伝統的なスタイル。北米、ポーランドの特にユダヤ人人口の多い都市で高い人気を誇ります。

 


ポーランドのユダヤ人コミュニティにおける伝統的なパン料理で、ベーグルに似ていますが、違いは煮る工程がなく、ドーナツ状ではなく、中央にへこみがあり、そこに角切り玉ねぎやガーリック、ポッピー、パン粉等を入れて焼くことです。

 


クレープと似たスイーツで、スラブ語でパンケーキという意味を持ち、中央東ヨーロッパのユダヤ人たちによってアレンジされた料理。伝統的なブリンツは甘くしたチーズ、ときにレーズンを入れます。シナイ山でモーセに十戒が与えられたことと夏の収穫を祝う五月の五旬節(シャブオット、ペンテコステ)の際に食べられます。

 


牛カタバラを、玉ねぎ、にんにく、じゃがいも、ニンジンなどの野菜とソース(チリソース、ケチャップ、コカ・コーラ等)と一緒にブレイズ(水分を使わずに油と素材の水分で蒸し焼き)した料理で、ハヌカー、過越の祭り、新年、サバス(休息の土曜日)のようなユダヤの祝日に提供されます。伝統的な調理方法としては、オーブンで何時間も低温調理することで固い肉を柔らかく仕上げるのが常でした。牛カタバラはカシュラット(ユダヤの食に関する法)、および経済的な理由からも、ユダヤ人の間で歴史的にも最も人気のある部位でした。

 


過越しの祭りを除くユダヤの主要な祝日やサバスに食べられた編み込みパンで、たくさんの卵、細かい小麦粉、水、砂糖、イースト、野菜油、塩で作られます。砂糖の量を増やすとケーキになります。

 


フルーツとナッツで作られた甘くて濃い色のペーストで、過越しの祭の儀礼ディナー、パスオーバー・セダーで食べられます。タルムードによれば、その色と感触はイスラエル人が古代エジプトの捕虜となったときに作らされた煉瓦を作るモルタルと同じで、charosetという言葉の語源はへブル語でclay(粘土)だそうです。まずmarorという苦いハーブをディップして食し、そのあとマッツァというクラッカーにcharosetとmarorを挟んで食べるのが儀礼的形式です。

 


Matzah meal、溶き卵、水、油から作るスープ団子で、チキンスープに入れて提供されます。沈むほど重いレシピもあれば、ふんわりと浮かぶレシピも。kreplachという餃子を代用することもあり、過越しの祭りで食されるのが通例です。Knaidelと呼ばれることもあります。

 


セカンド・テンプル時代から受け継がれてきた伝統的なユダヤのシチューで、肉、ポテト、豆、大麦などを夜通し12時間以上煮込んで、サバスのランチで食べるのが慣例。ユダヤの法では土曜日に料理をすることを禁じているので、金曜の日没前に煮立て、blechという食器に入れて暖炉の上で加熱を続けたり、ホットプレートや電気調理器で翌日までゆっくり加熱保温されます。牛の代わりに鶏を使ったり、卵を殻ごと入れて煮込んだりするレシピも。

 


牛や鶏のレバーを玉ねぎとソテーし、ゆで卵、塩こしょうを加えて、挽いたペースト。精製した鶏の脂肪をつなぎとして使う場合が多いですが、シェフによって調理方法は多様です。matzahやライ麦パン、サンドイッチに乗せて提供されることも。脂肪値を減らすため、エンドウ豆、さやいんげん、茄子やマッシュルームを使ったベジタリアン式レシピもあります。

 


白chrainは、ホースラディッシュ(西洋山葵)、リンゴ酢、砂糖、塩で作るペーストで、薬味として添えます。そこにビーツを加えると、赤chrainにんります。12世紀にはすでに欧州のユダヤ人コミュニティで使われていましたが、特にgeflite fish(西洋カマボコ)に必須の薬味で、主に魚料理や肉料理との相性は抜群です。

 


小さな粒パスタで、卵麺生地から作られていて、調理前に炙られることがほとんどです。スープに入れたり副菜として提供されます。アメリカでは、egg barley として袋パッケージで販売されています。

 


パテ状の魚のすり身を水煮した一品で、ユダヤ人家庭では前菜として提供されます。サバスや過越しの祭りなどはじめ、年間を通して食べられています。もともとはドイツ発祥のカトリック教徒の食事で、肉を食べることが禁じられているLent(四旬節)の期間に食べられていました。中世に入るまでには、東ヨーロッパのユダヤ人の食卓にも登場するようになりました。

 


牛・豚・ラム肉や野菜をパプリカはじめとした香辛料と一緒に煮込んだコラーゲンたっぷりのスープ、またはシチュー。ハンガリー発祥で、十世紀頃には羊飼いたちの間で食されていた国を代表する料理のひとつで、国のシンボルでもあります。パプリカを用いるようになったのは、16世紀にヨーロッパに持ち込まれた後のことです。好みで、赤唐辛子、ベイリーフ、タイム、ニンニク、フェンネル、クミン、人参、ジャガイモ、セロリ、パセリ、トマト、白ワイン等を加えることも。

 


家禽の首皮に小麦、セモリナ粉、パン粉、マッツォ、鶏の精製脂、炒め玉葱、刻んだ内臓等を詰めて糸で閉じ、チキンスープの中で調理したり、cholentの具材として使われることも。ソーセージのような形状から、なんちゃってkishke(ソーセージ)と呼ばれたりもします。

 


ユダヤ風キャベツロール。さっと茹でて水で冷ましたキャベツでひき肉を小包のように巻き、トマトソースの中で煮ます。もともとはスラブ料理で、シリア人はシナモン、ペルシャ人はディルとミント、ハンガリー系ユダヤ人はマジョラムを加えるなど、それぞれ特徴があります。肉が高価なため、米を入れて増量されるようになりました。

 


シリアルっぽく調理された大麦、または穀物のことで、焼くこともありますが、煮料理で使われることが多いです。ユダヤ人の間ではファルファッレパスタの上に玉ねぎとグレービーソースをかけて提供されることが多く、kasha varnishkesと呼ばれます。また、matzah-ball soupの具材になったり、knishの中身としても使われます。